僕が転職のアドバイスをする中で、「面接で会ってもらえれば、自分の良さを分かってもらえる」と思っている方がいらっしゃいます。
ですが、当然ですが会ってもらえなければ意味がありません。
転職活動で最も重要なことは、企業側に「刺さる」職務経歴書を提出することだと僕は思っています。
もし職務経歴書を軽視したり、職務経歴書を「これまでの職務経歴を記載する書類」としか認識していない方は、ぜひ職務経歴書の重要性を認識してください。
企業が職務経歴書を重視する理由:書類選考からオファーまで
転職活動や就職活動において、職務経歴書は非常に重要な書類です。
最初に転職活動した時、私は白紙の職務経歴書を前に「何を書いたらいいんだろう」「書ける実績なんて何もないよ…」と思っていました。
でも実際は、特別な実績やスキルがなくても「企業に求められる職務経歴書」を作成することで、企業にとって魅力的な候補者になることができます。
企業にとって職務経歴書がどういうものかを理解することが、職務経歴書を作成する第一歩です。これを知っているかどうかで、職務経歴書の書き方がまるっきり変わります。
この記事では、企業が職務経歴書をどのように活用し、なぜそれが重要なのかをわかりやすく解説します。
当たり前ですが、職務経歴書はまず書類選考の段階で重要な役割を果たします。企業はこれを基に多くの応募者の中から次のステップに進む人を選びます。企業は一般的に、職務経歴書を用いて以下の評価を通じたスクリーニングをしています。
書類選考における職務経歴書の役割
• スキルと経験の評価
職務経歴書には、具体的な業務経験やスキルが記載されています。企業はこれを見て、募集ポジションに適したスキルを持つかどうかを確認します。例えば、ITエンジニアならプログラミングスキルやプロジェクト管理経験が求められることが多いです。特別な実績やスキルがなくても、過去の経験からそのポジションが務まるかを検討します。
• 企業文化とのフィットの確認
企業は、自社の文化やチームに適応できるかを職務経歴書から判断します。これは、働く環境や企業の価値観にマッチするかどうかが重要です。例えば、ベンチャー企業では柔軟性や挑戦心が重視されることが多く、安定した大企業では組織の一員としての協調性や信頼性が重要視されます。
• キャリアの一貫性と成長の評価
企業は、応募者のキャリアパスが一貫しており、成長しているかを確認します。これは、将来的な成長可能性を見極めるためです。例えば、同じ分野でのキャリアアップや、新しいスキルの習得に積極的であることなどです。
• 採用リスクの最小化
企業は、応募者の過去の職歴や離職理由を確認し、採用リスクを最小化します。端的に言うと、「すぐ辞めないか」を見ています。特に、短期間での転職が多い場合、その理由を明確に説明することが重要です。正直に、しかしポジティブに過去の経験を伝えることで、企業に安心感を与えます。
面接準備における職務経歴書の重要性
書類選考を通過した候補者に対して、企業は職務経歴書を基に面接の準備をします。ここで企業は、さらに詳しく応募者を理解しようとします。
• 具体的な質問内容の準備
職務経歴書の内容に基づいて、面接で具体的な質問を準備します。これにより、企業は応募者の実力や適性をさらに評価します。具体例として、過去のプロジェクトでの役割や成果、困難をどう乗り越えたかなどの質問が考えられます。
• 候補者のモチベーションと志向の把握
職務経歴書を通じて、企業は応募者のキャリア志向やモチベーションを把握します。これにより、企業は応募者が自社で長期的に働けるか、成長できるかを評価します。例えば、志望動機や今後のキャリアビジョンについて具体的に述べることで、自分の志向を明確に伝えることが大切です。
オファー準備と職務経歴書
面接を通過した候補者に対して、企業は職務経歴書を基にオファーを準備します。ここで企業は、応募者に対する具体的なオファー内容を決定します。
• 適切な給与設定の参考
職務経歴書に記載された役職や業務内容、実績などを基に、適切な給与を設定します。例えば、過去の成果や責任範囲が明確に記載されていると、それに見合った給与を提示しやすくなります。
• オファー条件の設定
職務経歴書に記載された経験やスキルを基に、オファー条件を設定します。具体的には、ポジションや担当業務、福利厚生などがこれに含まれます。候補者は、過去の経験が役立つ場面を強調することで、より良い条件を引き出すことができます。
応募者にとっての職務経歴書の重要性
企業が職務経歴書を重視する理由を踏まえると、応募者にとっても職務経歴書は非常に重要だということが分かりますね。企業は何もスーパースターが欲しいわけではなく、募集ポジションに適切な方を採用したいと思っていることがほとんどです。そのため、特別な実績やスキルがなくても、以下の点を踏まえて職務経歴書を作成しましょう。
• 書類選考での印象を決定する
職務経歴書は、書類選考の段階であなたのスキルや経験を的確に伝え、企業に良い印象を与えるための第一歩です。わかりやすく、具体的に自分の経験を記載することが重要です。
• 面接での自信と準備を強化する
面接での質問に対する具体的な回答準備や、自分の強みを自信を持ってアピールするための基盤となります。職務経歴書をしっかりと準備することで、面接でも自信を持って話すことができます。
• 内定後の条件交渉に役立つ
職務経歴書に記載された実績やスキルが、給与や待遇の交渉において説得力を持たせ、より良い条件を引き出すための材料となります。具体的な成果や貢献度を明確に示すことで、交渉を有利に進めることができます。
• キャリアの整理と自己理解の深化
職務経歴書を作成する過程で自分のキャリアを振り返り、自己理解を深めることで、今後のキャリアプランを明確にする助けとなります。これにより、自分の強みや課題を把握し、次のステップに進むための準備ができます。
まとめ
企業が知りたいこと・望むことを前提とした職務経歴書を作成することで、凡人でも(突出した実績やスキルがなくても)有力な候補者になることができます。企業の視点を理解し、職務経歴書を効果的に作成することで、転職活動を成功への第一歩を踏み出しましょう。
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